断熱改修による居住者の健康への影響などを確認

日本サステナブル建築協会・スマートウェルネス住宅等
推進調査委員会が中間報告
寒い脱衣所から暖かい浴槽内に入ることによる急激な血圧低下(ヒートショック)での溺死事故が少なくないとの指摘が、様々な研究機関等から出されている。こうした室温と健康の問題解決のためには住宅の断熱性能を向上させることが極めて重要だ。そこで、(一社)日本サステナブル建築協会は全国の建築関係の学識者27人と医療・福祉関係の学識者57人を委員とする「スマートウェルネス住宅等推進調査委員会」(委員長=村上周三・建築環境・省エネルギー機構理事長)を設置。住生活空間の断熱性向上などの省エネ化による居住者の健康状況に与える効果に関する検証作業を進めている(2014~2017年度、国土交通省「スマートウェルネス住宅等推進事業」)。同委員会が1月13日に公表した途中成果では、
  • 冬季に起床時室温が低いほど血圧が高くなる傾向
  • 高齢者ほど室温と血圧との関連が強い
  • 断熱改修によって室温が上昇し、それに伴い居住者の血圧も低下する傾向
  • 居間または脱衣所の室温が18℃未満の住宅では、入浴事故リスクが高いとされる熱め入浴の確率が有意に高い
――等の知見が得られつつあるとしている。
情報提供:株式会社 日本住宅新聞(2017年2月)